今回は、電力科目についての話です。
重油燃焼時に必要な理論空気量を求める問題 が 電力科目のB問題 で出題されますが、
これは解くのに時間がかかるので、敬遠して手を付けない人も多いと思います、
結論から言うと
「重油燃焼時に必要な理論空気量」は、概ね以下の簡単な式で求めることができます。
A = B × 11.56 |
A [m3] : 理論空気量 B [kg] : 燃料の使用量 |
電力科目で、重油燃焼時に必要な理論空気量を求める問題が、
2017年問15、2011年問15 にて出題されています。
試しに、この式を使って解いてみて下さい。
重油燃焼時の理論空気量を求める式
理論空気量を求める問題は、mol や 原子量 等の化学の要素が出てくるので、その辺が苦手な人は手を付けないかと思います。
しかし化学が得意だとしても、理論空気量をその理屈から求めるのは手間がかかる・・・
そこで、重油燃焼時に必要な理論空気量を求める式を作ってみました。
重油燃焼時に必要な理論空気量を求める式
(1molの気体標準状態の体積を22.4 L とする)る水素の割合
A [m3] : 理論空気量 (AはAirの頭文字)
B [kg] : 燃料の使用量 O : 空気中に含まれる酸素の割合 C : 重油に含まれる炭素の割合 H : 重油に含まれる水素の割合 |
この式を覚えておけば、理屈は抜きにして各値を代入するだけで答えが求められます。
しかし・・・、
この式は覚えるのが面倒です。
なので色々とすっ飛ばして、次の式を覚えておけば ほぼ大丈夫です。
理論空気量を間単に求める式
重油における炭素の割合が85% , 水素の割合が15% のときの
重油燃焼時に必要な理論空気量を求める式
A = B × 11.56 |
A [m3] : 理論空気量 B [kg] : 燃料の使用量 |
ただしこの式は、以下の4つの条件が揃ったときにのみ使えます。
1、重油における炭素の割合が85%
2、重油における水素の割合が15%
3、1molの気体標準状態の体積は22.4 L
4、空気中に含まれる酸素の割合は 約21%
3と4の条件は普遍なので、変わることはないと思いますが、
1と2は問題によっては変わることがあります。
しかし、2017年問15、2011年問15 では、
どちらの場合も、「炭素割合85% 水素割合15%」でした。
このことから考えると、
重油における炭素の割合と水素の割合は この先もあまり変わらないと思うので、
A = B × 11.56 を覚えておけば、重油燃焼時に必要な理論空気量を求めることができると思います。
良かったら活用してみて下さい
補足 (炭素割合、水素割合)
炭素85% , 水素15% という条件が大きく変わることはないと思いますが、
せいぜい変わったとしても、炭素が83% , 水素11% 程度までかと思います。
ということは、11.56 は変化しても、せいぜい10になる位だと思うので、
10 ~ 11.56 程度の範囲を見ておけば試験問題に対応できると思います。
炭素・水素の割合が多少変わっても、A = B × 10 ~ A = B × 11.56 の式で解いてみる。
そして5択なので、5つの中から近い値を選べば正解できると思います。
以上の「重油燃焼時に必要な理論空気量を求める式」については、誰でもわかる電験参考書「電力」に詳しく載っています。
良ければどうぞ ♪
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